お世話になります。
神戸不動産リアルティの白石です。
3月も下旬に入り、桜の季節となってきました。卒業や新生活など、新しいスタートを感じるこの時期は、毎年どこか特別な空気があります。社内でも新年度を迎える準備が進み、目には見えませんが、新しい風が吹き始めていると感じています。
さて、この時期になると毎年発表される公示地価ですが、2026年の内容としては全国的に地価上昇が継続しているという結果でした。全用途平均が5年連続上昇ということもあり、特に都市部の商業地においては上昇幅が大きく、地方都市ではやや一服、関西圏では大阪や京都を中心に、いわゆる京阪神エリアが引き続き強い状況となっています。
神戸市内のデータを見ても、下落している地点は少なく、横ばいがあるものの、多くは微増から上昇という結果になっています。全体としては堅調に推移していると言える状況です。
ただ、今回公示地価のデータを見ていて感じたのは、横ばいの地点が増えてきたという点です。特に路線価の水準が低いエリア、いわゆるアクセスの良くない場所や郊外については、その傾向が顕著に表れていました。このあたりは、日々の流通、私達の現場で感じている「肌感」、動きとも一致しているなと感じています。
すべてのエリアが同じように上がっているわけではなく、立地による差がはっきりしてきているのが特徴です。駅からのアクセスが良い場所や利便性の高いエリアはしっかり上昇していますが、郊外やバス便のエリアは横ばい、もしくはやや弱い動きとなっています。いわゆる二極化が進んでいる状況です。
現場の感覚としても、これまでのように、とにかく高く出しても売れるという状況からは変化が出てきています。売却物件の数はやや増えてきており、高すぎた物件は価格調整が入り、相場に合った価格に近づいてきています。上昇し続けてきた市場が、一度落ち着いて適正な水準に調整されている段階にあると感じています。
また、不動産市場は外部環境の影響も大きく受けます。円安の継続、物価上昇、そして金利の上昇といった要素が重なり、今後の見通しについては不透明な部分も多い状況です。中東情勢による原油価格の上昇など、引き続き注視していく必要があります。
一方で、購入を検討されているお客様にとっては、これまでとは少し状況が変わってきています。業者側も市場をしっかり分析したうえで、無理な高値設定や、薄利多売ではなく、利益が確保できる現実的な価格で物件を出してくるようになると考えています。というのは、不動産会社の倒産のほとんどのケースが在庫を抱え、資金繰りが悪くなり、キャッシュが尽きてしまう「黒字倒産」であるから。その結果として、以前のようにどこでも高い物件ではなく、やや市場に合った価格で購入できる機会が増えてきているのはと思います。
とはいえ、新築にかかる建築資材、原材料、人件費等のコストは上がり続けており、先ほどの通り、都市部の地価は上昇を続けていることもあり、立地の良い新築物件に関しては価格が下がること可能性は低いと言えます。
金利についても上昇はしていますが、住宅ローンに関して言えば、まだ歴史的に見ても低い水準にあります。私自身が20代に不動産を購入した時は変動金利でも1%台後半でしたし、さらに昔は3%から4%台が当たり前の時代でした。それと比較すると、現在の金利はまだ低いと言える水準です。
一方で、収益不動産の分野については状況が少し異なります。金利上昇の影響を強く受けており、融資を利用している場合、返済負担は確実に増えています。年間で見れば数百万円から場合によってはそれ以上の負担増になるケースもあります。
しかし、その分を賃料でカバーできるかというと、現実的には難しい状況です。新築など一部では賃料上昇の動きもありますが、既存物件においては簡単に家賃を上げることはできません。加えて、修繕費や保険料も上昇しており、結果として利益は圧迫されているのが実情です。
本来であれば金利が上がれば物件価格が下がり、利回りが上がるという流れになりますが、現状ではそこまで価格が下がっているわけではなく、投資としての難易度は上がっていると感じます。
こういった局面においては、資金力のある方や、冷静に判断できる方がチャンスを掴んでいく傾向があります。過去の金融危機やコロナ禍でもそうでしたが、市場が変化するタイミングで動けるかどうかかが大きな差になると感じています。
今回の公示地価や現場の動きを踏まえると、全体としては上昇トレンドは継続しているものの、エリアごとの差が広がり、市場は調整から選別のフェーズに入ってきていると言えます。
不動産は、いつ買うかというよりも、何を選ぶかがより重要になってきています。不動産はほぼ一点ものです。日々新しい物件が出てくる中で、良い情報をしっかりキャッチし、理想のライフスタイルを実現することが大切です。
今後も現場のリアルな情報をもとに、皆様にとって有益な情報を発信していきたいと思います。
