お世話になります。神戸不動産リアルティの白石です。
先日、東京で開催された船井総合研究所の経営セミナーに参加してきました。
全国から2,000社以上の経営者が一堂に会する大規模なセミナーとなり、過去にはジャパネットタカタの高田社長やアイリスオーヤマの大山社長、ヤフージャパン元社長、その他国内のトップ企業の社長が登壇され大きな学び、成長につながるセミナーとなります。
今回特に強く感じたのは、「持続的に成長する企業の条件とは?」です。
この2日間でどの企業のトップからも、売上や社員数といった数字も重要ではありますが、それ以上に問われていたのは組織としての理念・文化・風土・仕組み、そして企業としての姿勢です。
このブログは単なる視察報告ではなく、当社の社員の皆さんに「私が現場で受けた気づきと学び」を伝え、今後の会社の方向性を考えるきっかけにしてほしいと思っています。少し長文かもしれませんが一読していただければと思います。
1日目 1人目 埼玉県 ハウスウェル様
埼玉県に拠点を構えるハウスウェル様。センチュリー21FC加盟店で全国ナンバーワンを誇る会社です。
売上は全体で約30億円、うち仲介売上で15〜17億円。営業職だけで100名以上を抱えています。特に仲介売上では当社の2~3倍の規模の会社様となります。
旗印は「物元日本1」。媒介契約で日本一を目指す、というだけあって、DXの徹底ぶりも学びが多いものでした。セールスフォースで営業を可視化し行動を管理。媒介日本1を掲げている以上、行動の質や量は絶対に落とさせないという社長の言葉が印象深く残っています。
また、現場で上がってきたこんなデータが欲しい、こんなツールが欲しいという声から自社でシステム開発し、それを全国の不動産会社400〜500社に展開していたり、社員一人一人が自主的に活動する委員会活動など様々な取り組みを実施し、組織全体で経営に参画している様子を感じました。数字を管理する仕組作りと、社員一人ひとりが掲げる理念に基づいて行動し、その環境を作れていることが業績の要因だと思いました。
二人目 山形県 太平堂不動産様
次に紹介されたのが山形県の太平堂不動産。三代目社長が率いる同族経営の会社で、理念は「山形を継ぐ」。シンプルですが、社長が話される表情には強いその使命感が込められていました。
感銘を受けたのがその経営理念と実際の企業活動で、例えば宅地分譲でも、不動産売買でも、まず活動の軸となっているのが「地域活性化」であったり、「人の雇用や育成」といった山形県の企業として意識して事業を行っていることが印象的で、企業の存在価値、存在意義が明確であることを強く感じた次第です。
「事業承継においてソフト面(理念・文化・人)とハード面(株式・資金・設備)において苦労されたことは?」という私の質問には「特に古参社員への対応が難しかった」との回答で、同族経営あるあるかもしれませんが、若い社長が経営を引き継ぐとき社員はすぐには信用しません。特に古参の社員はそうでしょう。そこで社長自身が現場に立ち率先して行動することで、信頼を得ていったといいます。
大企業、中小零細を問わず、事業承継とは「株式、資金、設備」といったハード面を受け継ぐことではなく、企業といて大切な「理念」、つまりソフト面である「意志」や「心」を受け継ぐことが重要であるということです。私が尊敬する兵庫県のとある企業も現在3代目の社長が受け継いでおられますが、創業者の想いを継いでくれる人間、という軸で選んでおられます。
まだ先の話にはなるかもしれませんが、当社も持続的な成長を遂げることが出来ればいつか次世代へバトンを渡す時が来ます。その時に必要なことが「理念を体現する背中を見せられるかどうか」、「意志を継げるかどうか」が基準になるでしょう。
この2社ともパーパス、ミッション、ビジョン、バリューといった、会社がどうあるべきか、どうなっていきたいか非常に感じた次第でありました。そこから学ぶべきことは、やはり当社が売上何億とか従業員何人というのはあくまでも経営理念を達成するための一つの指標、達成度合いを確かめる数値であり目的ではないこと。やはり目指すべきものはどういう企業に成りたいか、どういう姿を目指すのかが一番前に来る。改めてその重要さが今回の1日目で感じた内容でした。

2日目 登壇者一人目 船井総合研究所 真貝社長
船井総研社長の登壇テーマは主に「AI」と「M&A」。AIの必要性は言うまでもありませんが、AI導入は「待ったなし」と強調。効率化や新規事業の開発において、AIをどう活用するかが企業の未来を左右すると語られました。
M&Aにおいては船井総研でも直近で6社を買収、グループ全体で人材を再配置、M&Aを単なる規模拡大ではなく、成長加速の仕組みとして用いているのが印象的で、同様のことは今年6月に識学セミナーにいった際にも識学の安藤社長や、P-UPNEOの大熊副社長からも同様の話がありましたが、私自身も2、3年前くらいから企業成長の施策としてこのM&Aを実現したいと社内でも述べてきました。未だ情報収集に留まっている状態から早く社内で「M&A事業部」の創設など、実働に移していきたいと考えています。
二人目:U-NEXT 宇野社長
次はU-NEXTの宇野社長が登壇。今でこそ動画配信市場でNetflixに次ぐ国内2位のシェアを誇るU-NEXT。私はネット配信サービスというコンテンツはあまり利用せず、また宇野社長という方を詳しく知らず、いうならば昔の「ヒルズ族」的な印象で、きらびやかなイメージかと思っていたら、リーマンショック時には経営危機に見舞われ、経営から追われるなど、山あり谷ありな経営人生を送っておられた話は意外に感じました。
その谷底から業界2位まで業績を上げていった秘訣はというと、「圧倒的な差別化」。具体的にはコンテンツの充実はもちろん、楽天や様々な有力企業とのタイアップ、メディアとの協力関係を創るなど、一社だけの力で行ったかと言ったらそうではなく、アライアンス先を巻き込みながら、手を取り組みながらやってきた成果との話を聞き、やはり企業成長には自分達の力だけではなく、他者の力を借りることも必要だということを再認識した次第です。
理念を掲げ方針を決めたうえで、自社の成長に尽力していただける協力者達の力もあってこそ。実際に当社においても営業の支援先だけでなく、人材採用や集客マーケ、金融機関含め財務、労務や法務といった関係企業、有力な不動産情報を連携していただける同業者などのお力を借りています。
真貝社長から話がありました所謂「社会関係資本」の構築が重要となります。日本の99.7%が中小企業である以上、その弱い中小企業が繋がりを増やしていき互いに資本にしていく。弱いからこそ、この「社会関係資本」を当社も強固にできればと思います。
最後に宇野社長の話で印象的だったのは「売上1兆円」を目指す。100億作れる社長を100人作ればよいというラテラル思考でした。

昼食セミナー 100億円企業に向けて「成長と衰退の交差点」・「内部統制」について
昼食の時間でさえも学ぶ。私の大好きな姿勢です。
昼食を交えながらのセミナーでは、創業から15年~20年、または売上10億~30億が成長と衰退の分岐点となる「踊り場」。衰退していく企業も多くある中、いかに成長し踊り場を超えていくか。船井総研において、長年様々な企業支援した中で現れる経営課題。この課題解決ができない企業は衰退していく。そのうえで必要な「内部統制」についての内容。
企業が停滞する大きな3つの理由として、
1.事業に起因する:事業モデルの限界:既存商品・市場の限界(成長の天井)
2.財務に起因する:財務・資金力の限界:再投資や人材確保の資金不足
3.体制に起因する:一体化(体制)できていない:属人的な経営、組織構造の未整備、人材育成の仕組み不足、弱いマネジメント層
まさに当社もこの成長の踊り場に差し掛かっているといっても過言ではありません。特に上記3の部分については強く感じているところであります。
企業規模が大きくなればなるほど仕組み化が増える。というよりも増やさなければならない。経営者の「直接的な管理」から「間接的管理」への移行が必要となり、経営者が事業や人事、財務の兼任を早くやめ、専任の責任者を置かなければならないということ。
専任者は経営者よりもその領域について詳しい人物となり、経営者がその領域においては詳しくある必要はなく、その上で間接的な管理を行い、専任の責任者から報告が上げ、経営に必要な意思決定を行うというもの。経営判断に影響力を持つ、これが正しい経営、機能的な組織運営の在り方だという内容。
社長のコピーを作るのではなく、専門性のある人材を責任者に置く。経営者に代わりMVVを浸透させたり、必要な人材を適切に配置する人事部。資金調達や、資本投下に対して結果がでているか財務部も必要。会社の財務情報を見れ、利益率にこだわり適切な投資ができる人材。話の中で、投資は短期目線ではなく、5年~10年といった長期目線で行うもの。3年先の投資と10年先の投資とでは全く似て非なるものという話もありました。人事部、財務部以外にも成長促進をする経営企画部や、それを管理する経営管理部も必要とのこと。
現在、経営、事業戦略、財務、人事、マーケといういわゆる「C×O」(CEO、COO、CFO等)は私が兼任している状態ですので、この状態から徐々に専任者を作っていく組織設計をしていきたいと思います。とはいえ、緊急的に必要かというとそうではありませんが成長フェースに合わせてCFO、COO、CHROを徐々に作っていきたいと思います。
あと面白かったのが「経営者の経験とスキルが、企業の仕組みの導入率や利益の相関関係がある」という話。
ある専門領域の人は育成しようと思えば経験と失敗を繰り返し10年以上かかる。10年以内に100億いこうと思えば外部の人間の採用が必要。そのほうがレバレッジが効く。もう少し簡単に言うと100億円を理解している人を採用すれば早いということ。これは私の考え方と同じであり、現在、新卒採用で自社の価値観にあった人財を育成していくことと並行してスカウト会社と提携しキャリア採用をおこなっています。(※中途採用ではなくキャリア採用)上記でいう専門領域人財を雇用し、新しい事業展開や仕組みを導入し組織の成長ブーストをかけるといったもの。
既に今期新たにキャリア人財を3採用し、新規事業部を創設。さらに今期から来期中に5名程のキャリア採用を実施していきます。今後も自社の成長に最大限コミットし事業を推進していきたいと考えています。

サステナグロースアワード シャボン玉石鹸様
午後のセミナーでは船井総研の「サステナグロースアワード」がおこなわれ、約1万2,000社の中から持続的成長を遂げている企業の表彰式がありました。
最優秀賞は「シャボン玉石鹸」。創業は明治43年、120年以上の歴史を持つ老舗企業です。
もともとは合成石鹸を製造していましたが、消費者から「肌が荒れる」、「湿疹が出る」という声が寄せられるようになり、また当時国鉄から「電車が錆びるから化学物質を使わない石鹸を作ってほしい」という依頼を受けたことが転機となり、そこで当時の社長が決断したのが「無添加石鹸への全面転換」。
しかしこれが大きな試練を招くことになります。当時の無添加石鹸は価格設定も高く、需要が極端に少なく、当時8,000万円くらいあった売上は僅か70万円まで落ち込むことに。社員の中には「なぜこんな危険な賭けに出るのか」、「社長は頭がおかしくなったのか」と疑問や不満を抱く人も多く、従業員も減り事業は縮小となったそうです。
それでも社長は「ものづくりの会社が人の健康を害する製品を作ってはいけない」と信念を曲げませんでした。経営は苦しく苦難が続きましたが、一部の消費者からは「これしか使えない」、「助かった」という感謝の声が寄せられ、それが少しずつ支えとなり、やがて理念が市場に受け入れられていったとのこと。
今では「健康な体ときれいな水を守る」という理念が社会に広く認知され、シャボン玉石鹸は無添加市場のリーディングカンパニーとして成長を続けています。このシャボン玉石鹸の物語が教えてくれたのは、理念を貫くためには一時的な売上減をも恐れない勇気、そして間違っていないという自分の信念が必要だということ。短期の利益に目を奪われず、長期的な価値に賭ける。これが「持続的成長」の本質なのだと思いました。
とはいえ「言うは易し、行うは難し」。真似できない素晴らしい決断です。

相模屋 鳥越社長とザク豆腐
最後に登壇したのが相模屋。三代目の鳥越社長です。
鳥越社長の講和は「豆腐業界再生計画」。事業を継続すればするほど業績は下がる、と云われる豆腐業界において唯一100億を超えた企業が相模屋。その秘訣は、まだ見ぬ新しい分野に挑戦し、活路を見出すことも大事だが、実は成功のヒントは自分の足元に転がっている。それに気づき、誰もやらないことを徹底的にやり切れば必ず勝てる、ブルーオーシャンだ、というお話でした。
よくあるフレーズ、聞き飽きた成功物語ではなく、どれだけ「愚直」にできるか、豆腐業界はだれもやらないことをやったという内容で、特に伝統ある豆腐作りが、大量生産時代によってもたらされた価格競争から脱し、本当に美味しい豆腐や、誰もやらない商品企画をおこない、高付加価値の実現をし、決して奇をてらう、ということではなく、その裏では成功へのマーケティングや、年商28億の時に41億の大型設備投資をしっかりおこなうなどの経営判断、戦略が成功の秘訣になっています。
↑相模屋最大のヒット商品「ザク豆腐」は鳥越社長が独断で企画したものでした。社内からは「売れるわけがない」と総スカン。でも実際に発売するとガンダム世代の心を掴み大ヒット。ス―パーに並ぶザクを見て、夫が奥さんに必死で「ザクの良さ」をプレゼンしてカゴに入れさせる。そんな光景が全国で生まれたエピソードは笑いながら「なるほど!」となりました。当初冷ややかだった社員も、売れるや否や「やっぱり売れると思った!」と手のひらを返したそうです。
挑戦は孤独ですが、信念を貫いた先にしか成功はありません。このエピソードには学びがありました。また相模屋はM&Aにも積極的で、買収先の伝統や味を尊重する独自のやり方で業界再生を進めています。すでに12社を買収し、そのうち6社を債務超過から改善。規模拡大ではなく「豆腐業界を守る」という使命感が根底にあります。

以上は主なセミナーの内容でしが、この2日間で私が得た学びは、
・理念を軸に経営をすること(太平堂・シャボン玉石鹸・相模屋)
・DXと仕組み化で生産性を高めること(ハウスウェル)
・苦境でこそ差別化を貫く勇気(U-NEXT・シャボン玉石鹸・相模屋)
・AIとM&Aを成長の手段に使うこと(船井総研・相模屋)
・経営チーム体制への移行(船井総研)
当社も単なる規模拡大ではなく「理念を土台に、社会から必要とされる会社」を目指す。とはいっても理想を現実化するには、まず今の経営課題を改善し、持続的に成長するしかありません。生産性を高め、雇用を生み、納税を通じて社会に貢献する。これを命題として挑戦していきたいと思います。
最後に、このブログを読んだ社員の皆さんに問いかけたいと思います。
1.自分の仕事・業務において「差別化」とは何か?
2.DXや仕組み化を進めるために改善できることは何か?
3.「経営チーム」の一員として自分はどんな役割を担えるか?
4.地域や社会(課題)に対して、我々の仕事はどのように貢献できるか?
5.経営理念の実現には社員の1人として何をしていかなければならないか?
リアルティの社員の皆さん、この問いについて考え、言語化し、行動することが、経営参加の一歩であり、神戸不動産リアルティを次の成長ステージへ導く力となります。一緒に成長を続け社会から求められる企業をつくっていきましょう。以上です。